試験になると緊張して結果が出ないことはよくあるものです。
問題が頭に入らない!解答用紙の罫線が迷路に見える!
手や体が震えている・・・。
周りの人が全員頭がよく見えて・・・
鉛筆を走らせる音がやけに大きく聞こえる。。。
ここぞという時に緊張してしまい、
練習では当たり前に出来ていたことも、得意だと思っていたことも、
両手から零れ落ちてしまうのです。
そんな経験は私にだってあります。
あなただけじゃない。誰にでもあるのです。
そんなとき。どうか「からだの深呼吸」と「こころの深呼吸」をしてみてください。
自然と身体が楽になり、こころも穏やかになっていきます。
そう、確かに。。。なんだか魔法みたいですね。
でもこの話は科学であり、医学なんですよ。
ではやってみますか。
そこに座ったまま背筋を伸ばして。
鼻からゆっくりと息を吸っていき、
肺に空気が入っていくことを感じて・・・、
もういっぱいだと感じたら、目の前のローソクの火を消すように
ゆっくりとはいていきます。
この深呼吸を1分間に6回してみてください。
どうですか。気持ちが落ち着いてきたでしょう。
ほら。この数値を見て。1分間の心拍数が落ち着いているでしょう。
通常成人で安静時60回~80回くらい呼吸をしていますが、緊張したりしていると80回~100回、それ以上の人もいるかもしれない。
それが、からだの深呼吸を行うと1分間で1拍~3拍程落ち着いていきます。人によっては10拍なんて人もいるんですよ。
「効果はたったそれだけ?」っと思うかもしれませんが、1分間で1拍~3拍落ち着いた状態が、3分・・・5分・・・15分・・・30分…1時間と続いていけば、
とても大きな効果に波及していくのです。
これが「からだの深呼吸」です。
どうですか。これで問題文が読めるようになったでしょ。
そして次に、頭の中ではこう呪文を唱えるのです。
「福を吸って」、「鬼をはく」
「希望を吸って」、「不安をはく」
「未来を吸って、「迷いをはく」
なんでもいいです。とにかく楽しかった、嬉しかったイメージをつくりながら深呼吸をしましょう。君の場合は、恋人や大切な人を思いながらでもいい。
これが「こころの深呼吸」です。
ほら。手の震えや体の震えが消えて、自分の心臓や呼吸に意識が向いていくでしょう。
これは、脳内伝達物質アドレナリンからセロトニンへ脳をシフトするのです。
アドレナリンは興奮物質でセロトニンは沈静物質です。
アドレナリンは走っているときなど活動性が高い時、セロトニンはお風呂に入ってゆっくりしている時など安静時に多く分泌されます。
このセロトニンをいつでも引き出せたら鬼に金棒です。
いいかい。
目を閉じて。この「からだの深呼吸」と「こころの深呼吸」を試験が始まる3分前にやるんだ。
そしてゆっくり瞳を開放する。
さあ。もう大丈夫。
あとは君のこころひとつ。
恐れるものは、何もない。
2015年 1月12日 カルテ記録より転記