今日の質問・・・結膜下出血で悩んでいます
■■■ 結膜下出血とは
結膜下の小さな血管が破れ出血したもので、白目部分がべったり赤く染まります。
多少、目がゴロゴロしたりしますが、痛みなどはありません。
原因は様々で、思い当たる原因がなくても出血します。結膜下の出血では眼球内部に血液が入ることはなく視力低下の心配もありません。
出血は1~2週間ほどで自然に吸収されることが多いのですが、強いものでは2~3か月くらいかかります。
しかし、いずれにしても自然に吸収されますのでほとんどの場合心配いりません。

気をつけたい結膜下出血
〇眼外傷を受けた場合
〇痛みやかゆみ、目やにを伴う場合
〇頻繁に繰り返す場合
〇熱を伴う場合
多くの場合、結膜下出血は放置しておいても問題ありません。しかし上記の場合は自分の症状をしっかりと眼科医に伝えアドバイスを受けましょう。
結膜ってどの部分??

正面から見える 目の表面は黒目の部分は角膜白目の部分は強膜という1枚の膜で覆われています
このうち 白目の部分はさらに膜で覆われており それが 眼球結膜 です
眼球結膜 は目の奥 で反転し 上下のまぶたの裏側まで覆っています
瞼の裏側の膜は眼瞼結膜と言います
角膜は血管を持っていませんが 結膜には大小の血管が多数存在しています
結膜下出血の症状

●出血の程度
結膜に存在する大小の血管が破れて 結膜の下に出血が広がります
小さな点状のものから 斑点状、時に眼球結膜 全体を覆う 広範なものまであります
また血腫を作ることがあります
● 自覚症状
通常の出血ではほとんど 痛みや かゆみ 目やに などの症状は伴いません
また目が見えにくくなったり 視野が狭くなったりすることもありません
万が一 これらの症状を伴う場合は必ず眼科医の診察を受けてください
●症状の経過
普通 1~2週間で自然に吸収されて綺麗な白目となりますが 中には2~3ヶ月かかるものもあります時間はかかりますが 出血は吸収されますので心配は要りません
ただし 眼外傷などの後 長引くようでしたらすぐに 眼科に連絡してください
● 出血と充血の違い
出血は
結果が破れて血液が出たもので 血管の走行が見えません
一方 充血は
細い血管が拡張した状態を言います 血管収縮剤を使うと充血の場合は 赤みが少なくなります
結膜下出血の原因と治療

●結膜下出血の原因は色々とあります。
①眼 局所の要因
②全身性疾患
③ 原因不明のもの
の、3つに分けられます
いずれも 出血 自体は程度程度であれば10日前後で 自然吸収され白目に戻るため 治療の必要はありません
ただし 眼局所の要因や 全身性疾患の場合は 原因疾患の治療が必要です
まず 段階に診察してもらい 指導を受けましょう

●眼局所の要因
→眼外傷、 手術により起ります
穿孔性外傷は感染の予防などのため 直ちに 先行部を閉じる必要があります
なかなか消えない 結膜下出血は 穿孔性眼外傷が隠れている場合もありますから眼科に相談してください
→急性結膜炎に伴って起こります
急性出血性結膜炎 流行性角膜炎などに起こります
この場合は 痛みや 目やに 涙が増える などの 他の自覚症状があります
眼科の診察を受け 他の人にうつさないよう十分注意してください
目がゴロゴロしたり流涙の原因となる結膜弛緩性があると結膜下出血を起こしやすくなる可能性があります
→全身性疾患
動脈硬化 高血圧 糖尿病出血性素因 (貧血 白血病 紫斑病など)
腎炎に伴っても起こります
繰り返し 結膜下出血が起こる人は上記の疾患の疑いがあります
内科で異常がないかどうか調べてもらってください
ほとんどの場合 結膜下出血が起こった後に眼底出血が起こることはありません
しかし 上記のような疾患が原因の場合は 眼底出血の起こり 失明することもありますので注意してください
→急性熱性疾患に伴って起こります
マラリア 、ショコウ熱、ジフテリア、 コレラ、発疹チフス 、インフルエンザ、麻疹
などでも 結膜下出血が見られます
原因疾患の治療を最優先してください
→ 原因不明のもの
要因がはっきりしないことも多いですがいくつかの要因を挙げておきます
くしゃみ 、咳、過飲酒、月経、 水中メガネの締めすぎなどです

結膜下出血の患者さんへのワンポイントアドバイス
●蒸しタオルで温めると吸収が促進できま
●糖尿病 高血圧 血管や血液の異常がないかを調べてもらいましょう
● 出血以外に痛みなどの症状がある時は 必ず 眼科医に申し出てください
●眼外傷が起こった時の状況は 詳しく伝えてください
●鋭利なものや 金属片 などで目返しを受けたりボールや 転倒などで眼球の最も弱い部分が外傷を受けた時など (穿孔性眼外傷)はすぐに治療が必要です
●外傷の後 結膜下出血が続く場合は必ず 精密検査を受けてください
● 出血の症状が止まらない時は 止血のために 結膜下注射を行うこともあります
これは 点眼で麻酔した後に 結膜に薬剤を注入します ほとんど 痛みがありませんので 怖がらなくて大丈夫です