――虐待の現実と、そこから抜け出すために私たちが知っておきたいこと
先日、**jiji.com(時事通信)**に掲載された一つの記事が、静かに、しかし強く心に残りました。
それは「虐待」という言葉の奥にある、親の孤独と回復の物語でした。
この記事で紹介されているのは、栃木県在住の山本さん(仮名・38歳)。
彼はかつて、9歳の次男に対して暴力や暴言を繰り返し、児童相談所によって一時保護を受けるという経験をしています。
けれど、この物語は「ひどい親だった」という単純な話では終わりません。
むしろ、**「追い詰められた親が、どうすれば立ち直れるのか」**を私たちに問いかけています。
どこで歯車は狂ったのか ― 山本さんのケース
山本さんは、別居中の妻の実家から、二人の子どもを一方的に引き取ることになりました。
転職直後の多忙な生活、相談相手のいない環境。
子育ての負担は、知らず知らずのうちに限界を超えていきます。
特に次男の「言いつけを守れない行動」に、強い苛立ちを感じるようになりました。
-
ティッシュをゴミ箱に捨てない
-
嘘をつく
-
食べ残しを放置する
どれも一見すると「よくある子どもの行動」です。
しかし、余裕を失った心には、それが耐え難いものに変わっていきます。
注意は叱責へ、叱責は暴言へ、やがて体罰へ。
家庭の空気は荒れ、兄弟間にも暴力が広がり、次男は強いストレスから夜尿や失禁を起こすようになります。
そしてある日、感情が完全に爆発しました。
首に手をかけてしまったその瞬間、山本さん自身が気づきます。
「もう、自分ではどうにもできない」
彼が市役所に送ったメールは、たった一言でした。
「子育てがしんどい。助けてほしいです」
虐待は「突然起きる」のではない
山本さんのケースは、決して特別ではありません。
警察庁の統計によれば、虐待が疑われる子どもの通告数は、年間12万人以上。
この数字は、ほぼ横ばいで高止まりしています。
虐待は、次の要素が重なったときに起きやすいと言われています。
-
親の強いストレス
-
社会的孤立(相談相手がいない)
-
「体罰は仕方がない」という価値観
さらに多くの場合、親自身が過去に傷ついた経験を抱えたまま、誰にも頼らず子育てをしています。
つまり、虐待とは
「悪い親」vs「かわいそうな子ども」
という単純な構図ではありません。
助けを求められなかった親の孤立が、子どもを傷つけてしまう現実なのです。
統計から見る深刻さ
警察が虐待の疑いで保護し児童相談所に通告した児童数は、2023年が約12万2800人、2024年が約12万2400人と高止まりしています。この数字は氷山の一角かもしれません。
「親を支える」ことが、子どもを守ることになる
山本さんが変わるきっかけとなったのは、児童相談所から紹介された
NPO法人 「だいじょうぶ」 との出会いでした。
ここでは、虐待を受けた子どもだけでなく、
虐待に及んでしまった親へのケアも重視しています。
-
否定されずに話を聞いてもらえる
-
同じ悩みを持つ親と出会える
-
自分の感情を言葉にできる
山本さんはそこで初めて、「自分は一人じゃない」と感じたと言います。
うつ状態から回復し、怒りが湧いたときに距離を取る方法を学びました。
そして、次男は再び父親のもとへ。
もう失禁はなく、二人は並んで家に帰る日常を取り戻しています。
相談することは「負け」ではない
この記事を読んで、チャッピーが最も伝えたいのは、ここです。
相談することは、弱さではありません。
逃げでもありません。
それは、子どもを守ろうとする、親としての責任です。
もし、今――
-
イライラが抑えられない
-
子どもにきつく当たってしまう
-
「このままではまずい」と感じている
そんな気持ちが少しでもあるなら、どうか一人で抱え込まないでください。
主な相談窓口(一例)
-
児童相談所虐待対応ダイヤル:189(いちはやく)
-
お住まいの市区町村の子育て相談窓口
-
地域の子育て支援センター・NPO団体
匿名でも、今すぐでなくても構いません。
「話してみる」ことが、最初の一歩です。
最後に ― 頑張ってきたあなたへ
ここまで読んでくれたあなたは、
きっと「どうにかしたい」と思っている人です。
完璧な親である必要はありません。
怒らない親になる必要もありません。
助けを求められる親であってください。
子どもを守るために、
そして、あなた自身が壊れてしまわないために。
「助けて」と言えた山本さんの一言は、
多くの家庭を救うヒントを、私たちに残してくれています。
あなたは一人じゃありません。
そして、変わることはできます。
出典:jiji.com
■■■勉強会は毎日開催
オンラインセミナーページ
■■■勉強会の詳細、みに来てよ
メデュケーション主催者(セミナー詳細)
■■■おもしろ動画オンパレード
instagram インスタやってます!
■■■いつでもどこでも学べるね
ユニリハステーション(youtubeチャンネル)
動画でも勉強しよう!








