臨床シーティングセミナー 理論編
臨床シーティングセミナー 実技編
ものづくり シーティングセミナー 理論編
ものづくり シーティングセミナー 実技編
ポジショニング To シーティング セミナー 理論編
ポジショニング To シーティング セミナー 実技編
ユニリハ シーティング研究会のカリキュラム
ユニリハのシーティングは、3つに大別されます。
●●● シーティング研究1 臨床シーティング シーティングレベル 初級
臨床にあるもので工夫して座位保持を行う理論武装+技術志向セミナーです。
●●● シーティング研究2 ものづくりシーティング シーティングレベル 中級
業者と同水準のクッションをつくることを目的とした技術志向のセミナーです。座位保持クッションを徹底的に作成し、手に職をつけていきます。
●●● シーティング研究3 ポジショニング To シーティング シーティングレベル 上級
シーティングを座る姿勢からではなく、臥位姿勢のポジショニングアプローチから介入するアプローチです。通常のシーティングでは座位保持の難しい対象者をポジショニングによる筋緊張制御する事から始めるアプローチです。
臨床シーティングセミナー 理論編 (シーティングレベル初級)
理論編の内容
理論編でシーティングやフィッティングの基礎やケアをまとめていきます。
-
-
- 世界中のシーティング、座位保持の概念や技術をまとめ、急性期、回復期、維持期それぞれの回復段階や状態に合わせた姿勢保持を考えます。
- なぜなら姿勢とは運動であり日常様々な姿勢を作るからです。このためたったひとつの概念や技術だけでは、運動を切り取った姿勢という画像を見ているようなもので応用できません。
- 運動や日常生活動作に合わせるためには画像ではなく、動画として姿勢を捉えるべきです。
- 動画として捉えるためには、ひとつのシーティングの概念や技術、勉強会、セミナーで謳われているものだけで満足せず、そのすべてを統合して、その障害回復段階やADL(日常生活活動)に合わせたシーティング、フィッティングの技術が必要です。
-
以上を明らかにし、臨床に生かしていく事が理論編の目的です。
理論編の目的
シーティングやフィッティングに関する理論、原理をを身につける
-
-
- 世界にある様々なシーティングの技術
- 廃用にはこのシーティングを使え
- 脳神経系のシーティングはこう考える
- 業者シーティング、コンサルティングシーティングの導入時の注意点
- 人間工学とシーティング&姿勢保持
-
臨床シーティングセミナー 実技編 (シーティングレベル初級)
実技編の内容
実技編で理論編の知識を技術に変えていきます。
臨床で、臨床にあるものだけで、お金をかけずに座位保持クッションを作ります。使うものは以下の道具です。
-
-
- タオル
- 大判タオル
- 段ボール
- 臨床で用いている備品
-
上記物品の利用と物理学や当協会の研究知見をプラスし、『エアフォースクッション』と『ゲルフォースクッション』『イーフォースクッション』を作ることが可能です。
実技編 の 例
実技編 臨床現場でつくる簡易シートクッション
-
-
- エアフォースクッションの作り方
- ゲルフォースクッションの作り方
- イーフォースクッションの作り方
-
施設や病院内の限られた環境で、姿勢保持や座位保持を考え、結果を出していく方法論と技術を習得する研究で、「臨床シーティングセミナー」で共有していきます。
それぞれ、理論編からはじまり実技編で実際のクッションを製作します。
理論編でしっかりと『シーティングの理論武装』をし、実技編で段ボール、タオル、バスタオル等臨床にある様々な物を利用してクッションという結果を出す技術です。
身の回りのモノだけで造るので、一枚のクッションのコストは無料。お金を使ったとしても約150円~200円で作製できます。
気になるクッションの中身は、エアフォースクッションとゲルフォースクッション、イーフォースクッション【Elastic force(弾性力)= E・lastic forceイーフォース】の3種類のシートクッションが作れます。
ものづくりシーティングセミナー 原理編 (シーティングレベル中級)
原理編と工房実技編に分かれています。
本セミナーは、世界に現存する様々なシーティング理論をひとつにまとめ、その技術をどのように臨床で生かしていくかを考え、作製したクッションを臨床で使っていく事が目的のセミナーです。安価でカーシート生地を用いるようなプロ仕様のシートクッションを作製します。
なぜ安いのにプロ仕様なのか。それは、講師が某車椅子メーカーで培った十数年のキャリアと、ウレタンメーカーと直接契約し、原価でセミナー参加者にトレードするシステムを作り上げたからです。
このため、原理編でシートクッションの作り方を学習し、『シーティング工房』と称する工房実技編でどんどん作っていく。そして持って帰って使ってみる。しかも道具、部材、クッションは全て貸し出しています
ものづくり原理編の内容
■姿勢は筋緊張の制御と位置づける
- 姿勢は、臥位、座位、立位という3つから構成され運動の始まりをなします。
- 当然臥位から立位にかけて、収縮する筋活動は多くなり、並行して筋緊張の高まりとコントロールが必要になります。
- このため座位が不良でどうしてもバランス不良になる症例は、座位ではなく臥位から介入する事の研究を開始しました。
- つまり、座るための臥位研究を開始したのです。
■姿勢は、ニュートン力学、筋収縮様式、アライメント(第3の坐骨)の3つで構成される
- ニュートン力学は第3の法則、作用―反作用の法則を使います。あらゆる物体は重さや力を加えると、同じ力で押し返してきます。この押し返す力をどのように支持性に変換するかを考察します。
- 筋収縮の様式は、伸筋である抗重力筋を用いた座位を作ります。抗重力筋がうまく収縮するためには、ニュートン力学の性質を理解していなくてはいけません。
- ニュートン力学+筋収縮様式を姿勢に変換させるために、アライメントを操作します。このために、第3の坐骨に支持部を置き、体幹、頸部、頭部のアライメントを修正します。
回復段階やADL(日常生活動作)の中にシートクッションを適宜合わせていく。
- 姿勢は画像ではなく、動画です。
- 業者は車いすやクッションを作りますが、それは、その時、その瞬間に出会った患者や利用者の姿です。
- その人は常に施設、病院で生活をしているはずです。それが、業者では見えないということです。だから、画像としてとらえ、その時のコンディションの患者、利用者の状態で造るしかないのです。
- 画像的作り方であると当然失敗や合わないという問題や課題が出てきます。
これを予防し、対策として動き出したのが当協会のシーティング研究会であり、具現化するための「ものづくりシーティングセミナー」です。
- 急性期、回復期、維持期で座り方は全然違う。
- 障害や身体状況の回復段階に合わせる
- 次にADLに合わせる。
- 目的1:シーティングやフィッティングの技術を使って、障害がありながらもQOLを高めた生活を送る橋渡しをすることも役割のひとつ
- 目的2:車椅子を卒業して、これまで使ってきたインテリアに座る。
- 目的3:インテリアのテーブルやいすを使えるようにする橋渡しがシーティングやフィッティング技術の役割のひとつ
ものづくりシーティングセミナー工房実技編 (シーティングレベル中級)
Manufacturing seating
理論編で得た知識をそのまま形にしていきます。
- 数百円のウレタンや低反撥クッションを用いる → 業者は利益をかなり乗せる。だから、数万円の販売価格になってしまう。高くて手が出ないという状況になっている。
- セミナーで用いるウレタンクッション寸法は400×400×20mmが基本 → 手軽に買えるものはスポンジのような材質で座る事に適していない。
- 業者が仕入れるウレタンと同じものを利用する → 当協会がウレタンの問屋、メーカーとの契約をしているからできる技術
- 業者と同じスキルで作製する → 講師が某車椅子メーカー、座位保持装置製造メーカー出身者だからできる技術
- 業者と同じスキルで、リハビリテーション医学とも融合させる → 講師が作業療法士であるからできる技術
- クッションに使う生地は実際の車のシートや厚生省基準座位保持装置に使うものと同じメッシュ生地を利用 → これも直接仕入れています。
ゆえに、車椅子メーカー、座位保持メーカーと同じ状態のシートクッションを現場で安価に提供する事ができる。という結果になります。
- 画像上:セラピストメス直型
- 画像下:セラピストメス変形型
- シートクッションのレベルが高いので、そこから下の椅子の部分は「なんでもいい」という状況になります。
- あなたの職場の車椅子が、数十万円の座位保持装置に生まれ変わります。
- そこまで追求したのが「モノづくりシーティング」です。
ポジショニング To シーティング セミナー 理論編 (シーティングレベル上級)
これまで、シーティングやフィッティングで座位保持が難しい症例や利用者はいませんでしたか?本セミナーは、そんな状況に対して、姿勢保持からではなく、臥位姿勢から筋緊張をコントロールして、座位へシフトする技術を学ぶセミナーです。
1.座位保持、姿勢保持は意外と大変な運動
我々は特に意識しなくても座位をとり、維持する事が出来ています。
この運動の維持には骨と、その骨を支える筋があり、筋は脊柱から延びる神経に統制を受けています。その統制はさらに脳というネットワークに集約されています。さらに錐体外路系からの調整や小脳のフィードバックを受けながら目的ある行動が出来ています。
このように体内や脳ではたくさんの仕事を行って、座位という姿勢を保持しています。
ただ座っているように見えて、たくさんの要素が絡み合っている。だからこそ、座る事は難しいですし、アプローチは多様化します。
しかし、そのアプローチは樹木で言うところの「枝」「葉」「果実」です。「果実」ばかり気になって分からなかった事も、「幹」「根」「土」を知ってしまえば、簡単に育てる事ができるはずです。それが、医学であり、工学であり、人間工学という、「幹」「根」「土」を学ぶという事なのです。
2.姿勢保持に必要な身体能力・脳機能・知覚認知
姿勢保持は筋力低下やバランス不良だけではありません。身体機能だけでなく認知機能や知覚機能も大切な構成要素です。認知科学という側面からも姿勢を考えていきます。
当協会はある実験を行いました。ポジショニングを行う装置に採型機というビーズクッション型の身体型取り機が存在します。この型取り機に脳梗塞の症例の方に臥床してもらい、頭から足先まで全身を固めるようなポジショニングを取ります。するとどうなるでしょう。
ある方は「麻痺側に20センチくらい平行にズレた感覚があります」とか、「斜めになって寝ているように感じます。まっすぐにしてください」という感想が約8割の方に聞かれました。これがどういう意味を持っているのでしょうか。
少なからず、我々が症例を観ている真っ直ぐと、症例の感じている真っ直ぐは違っていて、症例の数ほどそのセンター意識に違いがあるという事は言えそうです。
本人が真っ直ぐを知覚していないのに、我々がこれが真っ直ぐであると説明しても、症例本人にはとても理解しにくい事であるでしょう。これをポジショニングで修正し、まずは臥位姿勢から認知や知覚を促す運動学習と認知科学分野の考察が必要なわけです。
3.座る事をまとめ、必要な自然科学を学び、
脳という認知知覚を学ぶ → 筋緊張の存在が見えてくる。
身体機能から姿勢を見ると、最も大切なのは姿勢筋緊張が正常にコントロールできているかが最も大切です。
筋出力や筋をどのように使うか等はその次です。まずは、筋が出力されるもっと手前のコンディションが整っているか、運動の準備状態がしっかり整っているかが重要です。解剖学的には、神経筋接合部や神経伝達物質、自律神経のバランス、そのためのリラクゼーションが出来ているかが最初のスタートラインです。
4.運動の準備状態を整えるために筋緊張のコントロールを行う事を意識する。
そのために、座位ではなく臥位から筋緊張をコントロールします。
上記でお示ししたように、「座る」とはとてつもなく簡単な事ですが、人間の内部ではとても複雑な機構が働いています。その複雑を一度臥位姿勢から全身でリラクゼーションを組む事で「ゼロ」に近い状態に戻します。パソコンの電源を一度シャットダウンし、パソコン内の電磁波をリフレッシュしてから再び電源を入れるようなイメージです。
5.異常筋緊張、連合反応、共同運動、廃用、認知障害の全てを臥位姿勢からリラクゼーションをかけてリフレッシュする。
リフレッシュのために必要な事は、身体にかかっている圧を出来るだけ除去する必要があります。除去のためには重力が邪魔になります。
しかし、地球上で重力をゼロにすることは不可能です。このため、身体質量に対して拮抗させるような物質を身体と物体の間に入れます。これを行えば、誰でも簡便に、経験や能力に関係なく再現性あるアプローチが可能となります。
6.ニュートン力学の第3法則・作用-反作用の反作用を出来るだけ小さくするポジショニングを行う。
作用反作用の反作用を小さくするには、身体質量と重力を拮抗させるポジショニングを行い、頭の先からつま先までの全質量に対する圧特性を3~10mmHgにする事で様々な反応が始まります。これがエアマットで11~25mmHgという二桁台の圧特性では生体反応は起こりません。徐圧、免荷、褥瘡予防はできても、筋緊張のコントロールや全身のリラクゼーションから筋緊張の変化、拘縮の変化は起こりません。
ポジショニング To シーティングセミナー 実技編 (シーティングレベル上級)
1.身体質量と重力を拮抗させて我々は生活している = 抗重力システムを使っている
身体には質量があります。地球にはあらゆる物体をひきつける重力(万有引力)があります。
地球上にある物質に重さがあれば、物質質量に相当した重力が働きます。人が生活を送るためには、この重力に拮抗した力を身体内部で自力で作らなければなりません。これを身体機能から説明すると「抗重力システム」といいます。さらに、このシステムから作りだされる力は「抗重力筋」が作りだしています。
2.身体に障害が生じると抗重力システムがうまく働かない
我々は、生誕から重力の中で生活しています。寝返りを覚え、首が座り、エンコを覚え、ハイハイをし、か弱い赤ちゃんは成長を続け、やがて座る事を獲得します。このようにヒトは、重力のなかで姿勢を覚え、動きという運動を獲得してきました。
しかし、怪我や障害を呈すると、これまで培ってきた同じ姿勢を作りにくくなります。そこで、リハビリテーションで復権を目指したり、障がいという新たな姿勢でこれまでと同じ重力を受け止め、抗重力システムを発動しなくてはいけません。長年かけて身につけた重力への対応、抗重力システムは使えなくなります。この状態で生活する事はとても難しい事です。
3.重力環境下での運動獲得は難しい = ならば重力を小さくしてみる
ある日、ある瞬間から怪我や障がいによる身体状況の変化に対応していくには、重力がとても大きな障壁となります。
であるならば、一度重力のない環境をつくり、そこから新しい身体の使い方を学ぶ。発達学的に赤ちゃんが寝がえりやハイハイを覚え重力に順応するように、ゆっくりと無理なく姿勢や運動が学習できるはずです。
4.座る前や運動の前に、臥位姿勢から準備状態を整える。
座位という難しい姿勢を作る前にまずは、重力を取り除いた臥位姿勢から姿勢という運動を学習します。
「背部の筋緊張が高くて後方に突っ張ってしまう」
「パーキンソンの小刻み運動でうまく姿勢が制御できない」
「麻痺側に倒れてしまって修正が難しい」
「筋緊張が高く、股関節が屈曲できない。だから端座位もとれない」
「円背(亀のようにまるい背中)でリクライニングで離床している」
上記の症状の方は、臥位でのポジショニング行ってから座位を取ると驚くほど短期間で見守り座位が可能となります。
そうなると、そのあとの生活やリハビリテーションのプログラムの立案は簡単になりますし、ご本人の負担感や身体機能、精神機能も楽になるでしょう。