研究会7 認知症リハビリ

集団療法やアクティビティを研究している研究室です。

※ただいま編集中のページです。研究知見がまとまり次第、随時更新しています。

この研究会で明らかにしていきたい事 課題と位置付ている事

  1. リハビリ集団療法はレクリエーションではない。
  2. 対象者の認知症改善、認知症予防のため、集団を介したアプローチを確立する。
  3. そのアプローチは誰でも容易に理解でき、共有でき、実践できるレベルにまで落としこんだ概念にする。
  4. 外国文化から生まれた集団、認知アプローチではなく、日本文化や日本人に合った、集団を介した認知療法介入アプローチをつくる。
  5. リハビリ集団療法を第三者が見て、誰が見てもリハビリだ、訓練中なんだという認知を持ってもらう
  6. 「患者さんと遊んで楽しそうだね」「遊んでいるだけなんじゃないの」という周りの評価を払拭する。
  7. リハビリ集団療法は科学であり、医学である事を証明する。
  8. 上記を達成するため、ありとあらゆる学問で理論武装する。
  9. 理論武装を実際のアプローチに変換するため、高齢者や対象者の歴史、時代、興味、芸能、スポーツを徹底的に調査
  10. 調査した内容から、具体的な集団の規模、認知症改善の内容、身体機能維持向上の作業、活動、を提供する。

■■■    集団療法はレクリエーションではない    ■■■

レクリエーションは楽しみ、遊びを提供する存在のようですね・・・であるならば。

リハビリテーションによる集団療法はレクリエーションではない。とあえてユニリハ研究会では線引をしたいと思います。

集団療法は科学であり医学です。

我々ユニリハの考える集団療法は、人、時間、場所を提供します。それはアイデンティティを生み、社会との接点や関係性を広げていきます。これを証明するには、心理学、行動学、人間工学、社会学、人間発達学、生理学、倫理学、医学・・・というエビデンスを掘り下げないと見えては来ません。

だからこそ集団療法はレクリエーションではない、科学であり医学であると言えるのです。

それを臨床社会集団モデルという骨子にまとめ証明し、活動方法や導入方法、治療として用いる方法論を研究するグループです。

■■■ 臨床社会集団モデル ■■■

現在の80歳代~90歳代の青春時代はいつ、どんな文化を生きてきた人たちでしょうか?

その人生の先輩は、戦争を経験し、アメリカや諸外国との争いました。いまどんな思いが去来しているでしょうか。

日本の秩序や社会、法律を勘案したのは、今現在向き合っている高齢者であることを感じていますか?その人たちは戦争経験者である事を知っていますか?たくさんの人が命を失い、たくさんの人が悲しみと向き合い、日本全体が貧困だった事実から目をそむけていませんか?その悲しみに耐え高度経済成長を成し遂げた、時代背景を知っていますか?

携帯電話、スマホ、インターネット・・・便利な世の中を作ったのは、今目の前にいる患者様、利用者さま、そして、昭和30年代~40年代に企業戦士、モーレツ社員と呼ばれた、平和な日本を夢見た日本人たちです。

個人的な趣味や家庭との時間がなかなか作れなかった当時の社会人たちが年を重ね、年月を重ね、今あなたの前にいます。

そのひとたちに、「レクリエーション」、「役割を持ってもらう」、「自己実現」を提供しようとしています。そしてその概念のほとんどが海外で生まれたものです。

戦争に耐え、新時代を切り開き、高度経済成長と日本を作り上げた大切な存在に、海外や外国から入ってきた集団療法概念やコミュニケーションの介入ケア理論をあてはめることはできるでしょうか。

例:ある80代の戦争経験者の方がつぶやくようにこうおっしゃいました。「私たちは戦争でアメリカと戦って、勝つと信じて戦って、人がたくさん殺されて・・・私のお父さんも子供も殺されて・・・すごく悔しかったのにそれでも今また外国人が考えた正しいという考え方で生きていかないといけないの?・・・役割?自己実現?もうほっといてよ」

上記の症例の気持ちが理解できるでしょうか。幼少だった昭和10年代、日本は開国から数十年が経過し豊かな経済発展を遂げました。ビルが立ち並び、車が走り、街にはモダンガール、モダンボーイという当時最先端の御洒落をした若者でにぎわっていました。症例のお父様、お母様の時代です。やがて戦争がはじまり、本土決戦、空襲があり東京は7割~8割が崩壊しました。そして終戦。廻りは瓦礫だらけ、家族との離散、子供の死、家族との再出発、地域の復興から日本の復興を目指して死に物狂いで働きました。そして、今の日本があります。

そんな今の高齢者にどのような気持ちが去来しているでしょうか。中には楽しそうで、過去の事なんか忘れたように生活している人もいるでしょう。しかし、つらかった経験、悔しかった経験、日本中が貧困だった経験は心の奥深くにあります。でもそんな心を復興を遂げる程の戦士たちがいつまでも持ち続けるでしょうか。きっと全てを許し、受け入れて生きているのです。そして、「私たちはやった」「ここまで作り上げた」という達成感のような感情も持っているのではないでしょうか。

海外の文化では分からない、日本には日本の文化があります。日本人には日本人の働き方や生き方、感じ方があります。それが現在の日本を作り上げてきました。そうであるならば、私たちの手で80代~90代、100歳代の皆さんの今後の生き方を探し、提案し、集団や作業活動を構築する必要があるのではないでしょうか。

『日本人の手で日本人の為の集団を使った認知ケアを構築する。』

これが、臨床社会集団モデルの志向的出発点です。

■■■ 臨床社会集団モデルの各論 ■■■

1.人、場所、時間(必須特性)の3つにアプローチを行う

2.人、場所、時間の知覚があるからこそアイデンティティが生まれる。

3.アイデンティティは集団が育む

4.成長したアイデンティティが小集団に影響する。

5.小集団が組織を作る

6.組織がコミュニティを構築する。

7.構築されたコミュニティはやがて社会へ繋がる

■■■ 臨床社会集団モデルの実技概念 ■■■

1.人、場所、時間を知覚、認知(必須特性)するために周期を統一化したプログラムを作る。

2.周期を統一化された必須特性は同じ周期で同じ刺激を入力されるため安心する。(我々の生活は何か特別なイベントがない限り、日常生活は安定し同じ毎日を繰り返す。毎日常に突飛な事は起こらず、同じ事の繰り返しである事が多い。しかしだからこそ精神的に安定し生きていけるとも言える)

3.実際に提供するアクティビティはなじみのあるもので、お金をかけず、簡単に出来るものが望ましい。歌(簡単に演奏できる楽器、ブルースハープ、ウクレレ、オカリナ)または絵(アイコピー絵画)、または身体活動(司会進行技術)等このような質素で素朴なものに日本人(特に病院や施設で働く職員)は心奪われる。この瞬間患者、利用者に役割が発生する。これを互恵性という。

4.アクティビティは後期高齢者世代がなじみのあるものとする。そのために青春時代に何が流行り何に行動を捧げたか調べ知る必要がある。(20代の若者が演歌を聴いて反応が小さいように、興味のない音楽をひたすら聞かされても心に響かない)

5.楽しい、おもしろいは人によって違う。また、嫌い、やりたくないという感情を聞き出すことも集団を提供する役割のひとつ。

■■■ 臨床社会集団モデルの実技各論 ■■■

1.歌(楽器演奏実技)ブルースハープ、オカリナ、ギターなどの演奏技術を身につける

2.身体活動導入技術・・・会のつくりかた、プログラムの作り方、上手な会の進行の仕方を学ぶ

3.芸術文化的活動技術・・・アイコピー(小さなイラストを大きな模造紙に拡大コピーする技術)したスケッチ画像をつくり、そこにちぎり絵やモザイク画をつくる技術の習得

■■■ 臨床社会集団モデルのセミナー ■■■

セミナー1・・・臨床社会集団モデルの理論原理編セミナー

セミナー2・・・臨床社会集団モデルの技術習得セミナー

■■■ セミナーへのお申し込みはこちらへ (注 工事中です)  ■■■

※※※   ご注意   ※※※

実技編、応用編へのお申し込みは各セミナーの理論編、基礎編の受講が必要となります。

予めご了承ください

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