■■■ ユニバーサル リハビリテーションとは ■■■
普遍性を原理とし、すべての現象がひとつなぎであるという複合的な立場で行うリハビリテーションが、ユニバーサル リハビリテーションです。
たとえば、テレビはリモコン一つで電源が入ります。パソコンもマウス一つで仕事や勉強、インターネットからたくさんの情報を受け取る事が出来ます。そのテレビやパソコンの中身を見てみると、工学系や光学、電気工学、電子工学、たくさんの半導体など、多くの部品や技術、学問が関っていますが、私たちが行う動作はスイッチ一つです。これが一般社会に受け入れられる『技術』です。
リハビリテーション医学の世界でも同じようにたくさんの学問や技術、手技や方法論があります。しかし、社会では本当にこれらの要素が「技術」として認知されているでしょうか。ユニバーサル リハビリテーションでは、このひとつひとつの要素を単一に掘り下げるのではなく、複合的にとらえ「ひとつなぎ」であると仮定しアプローチを行い、課題を解決していこうと考えています。
そのアプローチは「ポジショニング」からはじまり、「シーティング」、「座位保持」「立位、歩行」とすすみ、ADLやQOLといった日常やコミュニケーション手段、社会科学や認知科学の分野に発展していきます。そして、疲れや緊張が高まれば、ふたたび「ポジショニング」戻るなど、自由度の高い普遍的アプローチ要素を持っています。
更に、普遍性を治療という具体的な手段に抽象することで、資格や能力、経験年数に関係なく、誰もが再現性ある効果や結果を出すことができるリハビリテーションです。このため、必ず結果を出して、その結果が社会的にも理解しやすくわかりやすいものであること、医学や臨床で自己満足で終わるのではなく、すべての存在が納得のできる状態にまでボトムアップすることがユニバーサルリハビリテーションです。
■■■ ユニバーサル リハビリテーション協会の活動 ■■■
当協会の活動をご紹介します。
ユニバーサル リハビリテーションは、研究機関でありその知見を広く地域へ還元する学術団体です。協会代表1名、理事3名、代議員6名と全国に300余名の研究員で構成されています。各研究員は、当協会開催セミナーの参加者で、得られた多くの知見を持ち帰り、各々の職場で研究を行い内容を協会へ報告、または共有しながら共に歩み、共に悩み、多くの地域の皆様と一緒に取り組んでいます。
このため、当協会の活動の原点は臨床課題の抽出と研究からはじまります。上記図を参照に番号順にご説明します。
① 臨床にある今話題となっている問題や解決すべき課題を聴取、報告、調査し、いま臨床で起きているリスクや問題点抽出します。
- 例:車椅子の転落事故 → 車椅子メンテナンスの研究
- 例:再現性ある筋緊張のコントロール方法 → ポジショニングR.E.D.の開発 等
② 臨床には様々な課題や問題が山積みです。それらの要因をまずは精査し、一つの問題に対する仮説を立てます。
③ 仮説から必要な研究を導き、徹底した臨床研究を行います。
- 例:これまでの臨床研究
●ポジショニングR.E.D.
●ポジショニングBL_UE
●相対性シーティング
●絶対性シーティング
●車椅子の設計、選定技術 等
④ 研究により明らかになった事実や知見は、学会等への公の発表の前に必ず特許申請を済ませます。
⑤ 研究結果や知見を学会等で公表し、医学的な評価を受けます。
⑥ 学会発表後の学術的に高いと評価された要因のみを勉強会やセミナーで公表し地域社会と共有しています。
我々の最終目的は地域への還元とエンドユーザーである患者の利益になる事を最優先に活動を行います。
■■■ ユニバーサル リハビリテーションの研究機関 ■■■
ユニバーサル リハビリテーション協会は現在までのところ、上記7つの研究会を立ち上げ、活動を行っております。
そのうち、7番の集団療法研究会は、『集団療法セミナー』、『作業心理学』の二つの項目で研究を行っています。研究結果がまとまり次第、学会発表を重ね、知見が認められた後、皆様にご紹介いたします。
もうしばらくお待ちください。
■■■ ユニバーサル リハビリテーションのエビデンス ■■■
原理が普遍性であるため、エビデンスは、自然科学、人間工学、医用工学、社会科学、社会心理学、環境科学、認知科学、医学など「ひとつなぎ」にまとめ、あらゆる学問から統合して治療を考えます。
このため、当協会の要素のどこから学習をはじめていただいても構いません。臨床のリスク管理に悩んでいる方は「メンテナンス」等の工学系から行うのも良いでしょうし、プッシャー現象や運動学習で悩まれている方は「ポジショニング」から始めるのも良いでしょう。
■■■ ユニバーサル リハビリテーションと自然科学 ■■■
ニュートン物理学。第3の法則である『作用ー反作用』の法則を用いて治療を行います。
物体を押すと、その分だけ物体も同じ力で反応する。質量という重さ作用があれば、その質量分だけ反作用が返ってきます。立っていても反作用が起こりますし、寝ていても反作用があります。この反作用に負けないように地球上のあらゆる物体は抗する力を内部に作り出す必要があります。ヒトでいえば、筋力や張力の抗重力システムがこれを遂行しています。
地球上で活動したり、運動したり、生活を営むために必ず身体は内部に抗重力システムを構築し、生活をしています。このため、従来のリハビリテーションが必要で、強化や維持を病院や施設、あるいは在宅で行っています。
しかし、この重力がもし身体にかからなくなったらどうなるでしょうか?重力の重さから身体が開放されたらどうなるでしょうか。地球上にいる限り、絶対に重力は消える事はありません。でも、重力が起こす身体にかかる圧は限りなく小さくすることが出来ます。
これが、ユニバーサル リハビリテーションと自然現象、自然科学との関係性です。
■■■ ユニバーサル リハビリテーションの基本アプローチ ■■■
我々が提唱するリハビリテーションは、この『反作用に対してどうするか』という既存のリハビリテーションではなく、『反作用を小さくたときの生体反応を利用する』というリハビリテーションであり、αーγ連関、神経筋接合部、神経細胞、脳科学など、筋収縮や活動、運動が発現される、ずっと前の段階にアプローチしているという特性があります。
たとえるなら、『運動の前の準備状態を簡単に短時間で整える』、『あるいはリハビリテーションの前のリハビリテーション』という位置づけになります。
■■■ ユニバーサル リハビリテーションの治療原理 ■■■
原理:重力と身体質量を拮抗させ、身体全体にかかる圧mmHgを小さくします。
これを『微小反作用』といいます。身体全体がにかかる圧力が『3~11mmHg』という環境に置かれたとき、重力に抗するために働いていた筋(抗重力筋など伸筋や赤筋群繊維等)は、その筋収縮の必然性をなくし収縮範囲をどんどん小さくしていきます。この原理にする事で、異常筋緊張(拘縮、痙縮、短縮)等錐体路症状や失調、バランス不良等錐体外路症状などが変化します。
この原理から、以下の理論が生まれました。
理論:身体質量と重力を拮抗させると、身体全体の圧特性が数mmHgの微小反作用になる
ということは、身体全体に触れている支持基底面もその分広がるという事をも意味しています。これを式にすると以下のようになります。
p×s=mg
この公式を Universality theory『普遍性理論』 といいます。
■■■ Universality theory『普遍性理論』とは ■■■
p×S=mg
という公式に沿って、治療プログラムを展開していきます。
p:プレッシャー
s:スクウェア
mg:重力
pとsの関係性が重力と拮抗し身体質量や筋緊張、リラクゼーションに影響していくという公式です。
この理論を具現化したアプローチが、【 ポジショニングR.E.D. 】と【 ポジショニングBL_UE 】です。
■■■ ユニバーサル リハビリテーションの範囲 ■■■
誰もが同じ結果を出すことが出来ます。
当協会の基本原理、理論を用いる事で、対象者を取り巻く家族やソーシャルワーカ、介護職、事務職・・・等、どんな方でもリハビリテーションの効果を共有できるシステムを『ユニバーサル リハビリテーション』と位置づけています。
■■■ ユニバーサル リハビリテーションの概念 ■■■
ユニバーサル(Universal)という語を辞書で調べると・・・、
●一般的であるさま。すべてに共通であるさま。普遍的。「―な考え方」
●宇宙的なさま。全世界的。「―な規模」
と書いてあります。
このことから、Universal Rehabilitationを直訳すると『すべてに繋がる普遍性を用いて行うリハビリテーション』という意味になります。
■■■ Universality theory『普遍性理論』から派生した研究群 ■■■
Universalという普遍性、全世界的、全宇宙的という意味、すべてに共通で繋がりのあるという研究原理であるため、Universality theoryという理論からたくさんの研究会が生まれました。
● ポジショニング研究会
● シーティング研究会
● 車椅子設計・選定研究会
● 車椅子メンテナンス・リスク管理研究会
● 人間工学研究会
● 集団療法研究会
● 作業心理学研究会
● 技術文化研究会
それぞれに研究のデザインがあり、臨床研究や実践研究を経て、学会発表や論文投稿を通じて、学術的に認められた研究のみ、セミナーや勉強会という形で社会環境、社会資源との共有を許可しています。
■■■ ユニバーサル リハビリテーションのセミナー ■■■
●ポジショニングR.E.D.理論編
・ポジショニングR.E.D.実技編
●ポジショニングBL_UE理論編
・ポジショニングBL_UE実技編
●シーティング理論編
・シーティング工房編
●摂食嚥下リハビリテーション理論編
・摂食嚥下リハビリテーション実技編
●作業と姿勢と人間工学 基礎編
・作業と姿勢と人間工学 応用編
●詩吟リハビリテーション
これ以外にも、集団療法、作業心理学の研究も行っており、研究結果がまとまり次第、順次報告していきます。
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※※※ ご注意 ※※※
実技編へのお申し込みは各セミナーの理論編の受講が必要となります。
予めご了承ください